第7回 日本心臓核医学会学術大会 抄録

 

シンポジウム
たこつぼ型心筋症(心筋障害)を検証する
- 核医学的検証を中心にして-

 

2)微小循環障害の関与について
   -99mTc-Tetrofosmin,123I-BMIPP,123I-MIBG心筋SPECTによる検証-

   ・朝日大学附属村上記念病院循環器内科 伊藤 一貴、足立 芳彦、加藤 周司
   ・松下記念病院第三内科 杉原 洋樹
   ・京都大学第一日赤病院循環器内科 木下 法之、宮崎 浩志、河野 義雄
   ・京都府立医科大学第二内科 東 秋弘、中川 雅夫


たこつぼ型心筋障害(TAKO)の発生機序については、カテコラミン障害や冠微小循環障害などが推察されているが詳細は不明である。TAKOの発生機序を99mTc-Tetrofosmin(TF)、123I-BMIPP(BM)および123I-MIBG(MIBG)を用いて検討した。
[検討 1 ] 
TAKOにおけるTF、BM、MIBGの所見を経時的に観察した。急性期では、TF、BM、MIBGの集積低下は同等であった。亜急性期ではTFは正常化、BMとMIBGの集積低下は残存する傾向が認められた。慢性期にはBMおよびMIBGの改善が認められた。このような回復様式は、心外膜血管病変により生じる気絶心筋と同じであった。
[検討 2 ]
TAKOおよび急性冠症候群(ACS)における心電図のST上昇、心筋逸脱酵素値、壁運動異常、TFの集積低下を検討した。ST上昇および壁運動異常には差は認められなかったが、TFの集積低下および心筋逸脱酵素値はTAKOで小であった。ACSでは欠損などの高度集積低下が全例で認められたが、TAKOでは欠損はわずかであった。亜急性期における壁運動およびTFの改善はTAKOで大であった。TAKOではST上昇やTFの集積低下が認められ心筋虚血の存在が考えられた。しかし、心外膜血管病変は認められず、微小循環障害による虚血が考えられた。また、TAKOでは早期の壁運動の改善や心筋逸脱酵素値の低値が認められたが、その機序として急性期においても血流がわずかに残存しているためと考えられた。
[検討3] 
2例の再発例の検討では、心外膜血管病変やカテコラミンによる機序は否定的であった。
[検討4] 
2例の剖検では、カテコラミンによる心筋障害は否定的であった。
 以上の検討より、TAKOの発生機序として冠微小循環における虚血の関与が示唆された。