第7回 日本心臓核医学会学術大会 抄録

 

シンポジウム
たこつぼ型心筋症(心筋障害)を検証する
- 核医学的検証を中心にして-

 

3)二核種(TL,MIBG)同時収集による検証

   ・倉敷中央病院循環器内科 山本 浩之、光藤 和明、後藤  剛、門田 一繁、
                     藤井 晶子  藤井 理樹、福  康志、廣野 明寿
                     田中 裕之、多田 毅、栗田 直幸、藤原 正隆、
                     小島 洋児、上原 裕規、細木 信吾
   ・倉敷中央病院放射線科 長木 昭男


【目的】たこつぼ型左室壁運動障害の原因として心臓交感神経機能の障害を示唆する報告が散見される。そこで今回我々は急性期のTL, MIBGの心筋SPECT像と臨床経過、他の検査所見との関連を検討した。
【対象】1995年10月から2001年12月までに当院で経験したたこつぼ型左室壁運動障害57例のうち発症より10日以内の急性期に二核種(TL, MIBG)同時収集を施行した20症例(全例女性、平均年齢66.6±8.7歳)。
【方法】基礎疾患、発症の誘因、主訴、心電図変化、心エコー所見、心臓カテーテル検査所見、血液検査(CPK, CK-MB, CRP, 血中カテコラミン)ならびにTL, MIBGの所見を検討した。TL, MIBGはSPECT像を24セグメントに分割し、それぞれの%uptake, washout ratio(WR)を求め、心尖部8セグメントを合計した。臨床経過は心電図、心エコーで経過観察しその回復期間を調査した。
【結果】患者はすべて女性で、発症の誘因として情動ストレスが関与したものが多かった(13/20)。臨床経過は、症状の消失、心エコーでの壁運動、心電図変化の順に回復した。MIBGのWRは心電図の回復期間と正の相関を認め(相関係数=0.585, P=0.02)、心エコーの回復期間とも弱い正の相関を認めた(相関係数=0.459, P=0.04)。急性期の心臓カテーテル検査による心機能の指標(駆出率、心拍出量)、また血中Noradrenalin、CPK値は回復期間と有意な相関は認められなかった。
【結語】たこつぼ型左室壁運動障害の急性期二核種同時収集の指標のうち心臓交感神経活性の亢進を表すとされるMIBGのWRは心電図、心エコーの回復期間と関連があることが示された。左室壁運動異常の範囲と回復期間は関連がなかった。本疾患の原因に関しては今回の検討から言及することはできないが交感神経機能の障害の程度に回復過程が影響を受ける可能性が示唆された。